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3月24日 卒業式 校長式辞
卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
先ほど、一人ひとりに卒業証書を手渡しながら、皆さんの精一杯堂々とした姿、そして真っ直ぐな瞳を見て、胸が熱くなる思いでした。
さて、今日という門出の日に、皆さんに一人の人物を紹介したいと思います。
今から約80年前に活躍した、ヴィクトール・フランクルという心理学者です。NHKでも取り上げられたので知っている方もいらっしゃるかもしれません。この人は第二次世界大戦中、想像を絶するような過酷な環境に置かれながらも、希望を捨てずに生き抜いた人物です。
彼の話の中から、皆さんのこれからの人生の支えとなる「三つのこと」についてお話しします。
校長室での会食の時、「中学校での夢」や「将来の夢」について尋ねました。みなさんの夢は、今現在の興味や関心に基づいたものであったり、きっとこれからこんな世界に入っていってこんな経験があるのだろうという予想に基づいたりしていました。夢を持つことは素晴らしいことです。しかし、このフランクルという人は逆の発想をしました。
「人生があなたに問いかけているのだ」という考え方です。
皆さんがこれから進む中学校、その先の未来では、楽しいことばかりではありません。時には、「なぜ自分だけがこんなに苦しいのか」と思うような出来事も起きるでしょう。
その時、思い出してください。人生という舞台は、あなたにこう問いかけています。
「この苦しい状況の中で、あなたはどう振る舞いますか?」と。
皆さんは、その問いに答える主役です。逃げ出すのではなく、「よし、やってみよう」と一歩踏み出す。その答え方こそが、皆さんの「生き方」になっていくのです。
そして二つ目。「態度の自由」についてです。
フランクルは、どんなに自由を奪われた場所でも、誰にも決して奪うことができないものがあると言いました。それは、「起きた出来事に対して、どのような心構えでいるか」という自由です。
例えば、大切な試合に負けてしまったとき。
「運が悪かった」と誰かのせいにするのか、それとも「この悔しさをバネに、明日からどう練習しようか」と前を向くのか。
どちらを選ぶかは、100%皆さんの自由です。
周りの環境や他人の言葉に振り回される必要はありません。皆さんの心の中には、どんな時でも自分自身で「最高にカッコいい自分」を選び取る自由があるのです。
最後に三つ目「皆さんの存在」についてお話しします。
「この世のどこかに、あなたを待っている『何か』があり、あなたを待っている『誰か』がいる」
それは、将来出会う仕事かもしれません。これから出会う一生の友かもしれません。あるいは、あなたを必要とする家族かもしれません。
「自分なんていなくてもいい」なんて思う瞬間が、もし訪れたとしても、それは間違いです。世界の方から、あなたが見つけ出されるのを待っているのです。
皆さんは、ここ七砂小で6年間、仲間と共に笑い、泣き、成長してきました。コロナ禍での入学式から始まり、分散登校。そのあとも様々な制限だらけの中で学校生活を過ごしてきました。その経験はすべて、未来であなたを待っている「何か」のために必要な準備だったと考えましょう。みなさんの存在はこれから起こる出来事、出会う人そのための今なのです。「人生が問いかけていること」「態度の自由」「自分の存在」ぜひ心にとめてほしいと思います。
保護者の皆様、お子様のご卒業を心よりお祝い申しあげます。十二年間の子育ての中の半分、六年間を七砂小で「学ぶこと」や「人とかかわること」の基礎を身に付けて参りました。今日のこの立派な姿の裏には保護者の皆様の、計り知れないほどのご苦労やご尽力があったことと思います。これからも、様々なことがあるとは思いますが、どうかお子様の力を信じて見守り、導いていただけたらと思います。
地域の皆様、町の中で子供たちの安全を見守り、あいさつの声をかけていただき、ありがとうございます。今年度、総合的な学習の時間などで子供たちは地域に生きる一員としての自覚を高めてまいりました。どうかこれからも地域の宝である子供たちを温かく見守っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
在校生代表として参加している五年生のみなさん。卒業生の晴れ姿をしっかりと目に焼き付けて四月からの目標にしていってください。
卒業生の皆さん。
皆さんの前には、まだ真っ白なキャンバスが広がっています。
人生から問いかけられたとき、勇気をもって、誠実に、自分だけの答えを書き込んでいってください。
皆さんの歩む道が、自分自身への誇りと、他の人への優しさに満ちたものになることを信じています。
私たちは、いつまでも皆さんを応援しています。
公開日:2026年03月25日 14:00:00